バルプラスト
素材は何でできているのか?
スーパーポリアミドというナイロンの一種です。そのため、破折に対する心配はほとんどありません。
どのようなケースができますか?
基本的には従来のパーシャルデンチャーができるものなら、すべて可能です。
鉤歯だけでなく他の残存歯すべてのアンダーカットを利用できるため、レジン床・金属床ができないものでも、症例によっては可能です。また、骨隆のアンダーカットも利用可能です。鉤歯の設計においても4面すべてのアンダーカットを利用できる事も、バルプラストの大きな特徴の一つです。
片側処理可能な欠損数
残存歯のアンダーカットにもよりますが基本的には3歯欠損までです。4歯以上の欠損は保証できません。
例えば、4~7の欠損の場合、123まで唇側のクラスプを延ばす可能性があり、バルプラストの特性上、クラスプが長くなるにつれて、把持力が弱くなり、回転する為、頬舌を結ぶリングが必要な場合もあります
増歯・リベース・修理は可能なのか?
現在、増歯や修理・リベースはできません。
レストはつけないのか?
全ての症例にレストをつけないのではありません。少数歯欠損の中間義歯においてフレキシブルな動きがないもの、また下顎骨隆起のあるものに対しては完全に沈下防止の為、舌側咬頭を被覆するといった方法もあります。
フィニッシングラインを臼歯部は最大豊隆部より上部に、前歯部は基底結節部より上部に設定することにより、レストの役割を果たします。レスト窩についても金属のレストスペースより深めに確保して頂けると効果的です。
総義歯について
基本的には製作することはできますが、パーシャルデンチャーに比べると、メリットは少ないように思われます。
金属床との併用について
特に問題はありません。金属床の設計が若干異なります。
調整について
切削時には熱を出さないようにご注意下さい。微調整にはシリコンポイントが適しています。なお、レジンを盛り足す事が出来ない為、削りすぎにご注意下さい。
印象採得について
圧のかからない印象で、アルギン酸系の印象剤でスナップ印象を採る方法で結構です。各個トレーにて採得する場合も、トレー辺縁はぎん頬移行部より2mm~5mm上に設定してください。また鉤歯になる歯の歯肉部まで印象採得してください。
患者さんのメンテナンスについて
やわらかいブラシで、汚れを落とした後、専用の洗浄剤(V-パワークリーン)を使用してください。洗浄剤の使用説明については、毎回納品時に説明書をつけておりますので、そちらを参照ください。なお、洗浄剤は植物性の素材でできております。